8人のスペシャリストが、認知症のお金のこと全部教えます!
「認知症マネー」まるわかりガイド
相続・後見マネー塾
内容
認知症の介護で大変なのは、介護そのものはもちろんだが、それ以上にお金のことが大変だという。誰にも聞けないし、誰も教えてくれない。すべて自分で調べる人がほとんどだ。自分の状況をつまびらかに話すことをはばかるから。本書では、そんな介護のお金に関する情報を8人の女性スペシャリストがわかりやすく紹介している。
書評
認知症を発症している人は、癌患者の数よりも多い。65歳以上の4人に1人が認知症予備軍なのだ。認知症に対する理解は進んでいるが、認知症の人やその家族を支える法律や制度の活用ということになると、まだまったく進んでいないと言える。さらに、お金のこととなると誰にも相談できず、しかも教えてくれる人もいない。結果的に役所に駆け込んだり、ひとりで調べながら利用するしかないのが現状だ。
そんな声をきっかけに企画されたのが本書だという。認知症とその家族が安心して暮らせるように、生活の基盤になるお金に特化した構成にされている。使える社会保障制度はもちろんのこと、認知症の人やその家族を守る法律(成年後見制度など)や自治体の取り組み、施設選びや自宅活用、相続や保険活用に至るまで網羅している。ケアマネージャーのみならず、ソーシャルワーカー、介護や福祉に従事している人、医療や介護の専門家も活用できる内容が含まれているという。
本書は、健康保険や自立支援医療制度、介護保険、失業手当、障害年金、介護休業給付金、施設選び、自宅活用など、認知症とその家族の生活を守る知恵を身近な言葉で紹介されている。知っているのと知らないのでは雲泥の差。暮らしが大きく変わるのは言うまでもない。
認知症患者とその家族をはじめ、もしかしたら認知症じゃないかと不安に感じている人に対して、役立てるようにとの想いを込めて8人のプロが教えるお金の情報。一読の価値ありかもしれない。